前橋市茂木(もとぎ)町の福手集落、父親から農地を受け継いだ小幡隆さん(67)は、37年間、こんにゃく栽培に取り組み、機械化・省力化を進め、群馬県下一の生産量を実現しました。10年前、農地を引き継いだ末娘の圭子さんは、2021年から夫の竜徳さんとともに、大胆にもいちごへの経営転換を図り、今年は33アールのハウス栽培に挑戦。順調に業績を伸ばしています。
高齢化が進む茂木町牧野集落では、平成10年から「牧野地区むらづくり協議会」を設立し、故石川孝一さんの発案により、そば栽培とオーナー制度を18戸の農家でスタート。平成15年には農村レストラン「そばの里まぎの」を開業しました。石川修子・店長は「年間3万5千人もの来客のうち、約9割が町外からの来訪者で、活気にあふれた交流拠点となっています」とのことでした。
約30年前から茂木町では国・県が進める農村振興策「むらづくり運動」に取り組んでいた、と長く担当を務めた田村幸夫さんは語ります。条件の良くない山間の田畑から付加価値を生み出すため、棚田、そば畑、梅・ゆずの木などのオーナー制を取り入れ、エゴマや和牛など特産品を育て、元気の出る農業を構築してきたのです。